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05/20
2013

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出光佐三の仕事道

石油事業で注目の出光興産の創業者、出光佐三(いでみつさぞう)氏の素晴らしい“決断”。

2013年本屋大賞を受賞したことでも話題となっている、出光氏をモデルにしたドキュメンタリー小説、
『海賊とよばれた男』にそれは綴られていた。

その中の一部をご紹介しよう。

1945年の終戦直後、国岡商店(出光興産)には1000人ほどの社員がいたという。
その内の700人が海外で石油販売、150人ほどが中国に出兵(?)しており、
残りの100人程度が日本に残っていた。

しかし、戦争に負けたことで海外の店員は働き先を失い、
販売する商品(石油)もなくなったことで、国岡商店は経営危機に陥ることになる。

そこで開かれた重役会議。
経営者として、まさに“決断”の時だ。

本来ならやむを得ず、店員の解雇を考えるのだが、
店主(出光佐三氏)は一人の馘首(かくしゅ)もしないと宣言。

「わが社の事業は、実質的にすべて失われており、社員たちの仕事はありません」
という常務の嘆きに対しても、店主は 「だから何だ!」と一喝した。

そして、「確かに国岡商店の事業はすべてなくなり、残っているのは借金ばかり。
しかし、我社には何よりも素晴らしい財産が残っている。1000名にものぼる店員たちだ。
彼らこそ、国岡商店の最高の資材であり、財産である。
国岡の社是である“人間尊重”の精神が、今こそ発揮される時ではないか。」と続けた。

店主は、経営危機だからといって、理念に反する行動を取るのではなく、
“人間尊重”という強い信念を貫いたのである。

また、第一次世界大戦直後、戦争の影響で石油価格が高騰した際には、
店員たちは、「これは好機です。高く売りましょう。」と主張したが、
店主は、「国岡商店が経営の備蓄を増やしたのは、投機のためではない。
生活者に安定供給するためではないか。今後、2度と卑しいことを言うな!」と一喝した。

欲に流されて儲けることを考えず、自分たちの存在理由を尊重したのだ。

これらの“決断”は、出光佐三氏の座右の銘でもある、
「武士の心をもって商いせよ」という“士魂商才”の精神に基づいた、
まさに私が目指す“仕事道”。

人を育て、社会を改善し、未来へ継続させていくためには、
武士のような潔さと人の道を重んじる精神が大切であるということだ。

これからのビジネスに必要なのは、
出光氏のように「本来はこうあるべきだ」という “道”を進み、
信念をもって決断する、そんな“仕事道”の実践ではないだろうか。

一人ひとりが社会における存在理由を追求し、
人としての価値観に従って社会貢献することができれば、
継続可能な社会をつくり上げることができるはずだ。

(『海賊とよばれた男』百田尚樹著 より一部抜粋)

biji (1)

その“道”の先に何を見る…

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