これからの選ばれるビジネス!

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11/09
2015

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「天狼院書店」のポテンシャル

立地が悪いうえに、場所もわかりにくい。
そして、書店としては、
決して広くはない店舗スペースで展開されている。
それにもかかわらず、なぜこの書店は、
多くのメディアに取り上げられているのか。

池袋駅で電車を降りて、地図を頼りに進んでいくのだが…
なぜかその本屋にたどり着けない
(道を間違えたわけではなくて単に道のりが長かったため…)。
それほどの立地なのだ。目的の天狼院書店は、
なんと予想だにしない2階に入り口の扉があった。
広さ15坪程度!? のその店舗は、所狭しと本が並び、
カフェになっている趣のある内装。
この小さな書店が、どうしたらそんなに話題に? と言いたくなる。

実は、天狼院書店には、“天狼院秘本”や“天狼院BOX”と呼ばれるしかけがある。
天狼院秘本とは、店が選んだ1種類の本のタイトルを伏せて販売する方法。
テーマによって、店員が主観で選択した至極の一冊で、
お客さんにドキドキを提供するひと工夫が独特な演出だ。
最近だと、あの糸井重里氏が選んだ“糸井重里秘本”が
1,600冊を売り上げたという
(あの小さな店舗での販売で、
1タイトルだけでの売り上げだからさらにすごい! )。
彼の著名性や、影響力、天狼院書店の話題性が
ここまでの売り上げをたたき出したのだから
ビジネスとしては大成功だろう。

また、天狼院BOXとは、書店の一定利用額を購入したお客さまが
その人流のセレクションにより
オリジナルBOXづくりをして販売をする方法だ。
本好きのお客さまによる参加型の売場づくりと言えよう。

天狼院書店のおもしろいしかけは、
これだけに留まらない。
例えば、“部活”。実際にその道のプロを講師として招き、
技術などを直接レクチャーしてもらうことができる。
その種類は数多く、フォト部をはじめ、
雑誌編集部、英語部、落語部、デザイン部、映画部…など
数えるときりがない。
こうしたプロを招聘するイベントは他にも文化祭と銘打って開催されている。

これらのユニークな展開は、天狼院書店のコンセプトが、
「本を通した体験」を提供することだからなのだ。
このところ本屋産業は厳しい状況が続いているが、
天狼院書店のように、本屋という場をハブとして、
様々な人やスキルを発信していくことはできる。

天狼院書店がみせている展開は、ちょっとした一工夫で、
1冊の本の魅力をより深く、おもしろく伝えている。
それは、本来本を読む人の多くが、本を読むという行為ではなく、
本を通じて得られる知識やスキルの取得を目的としているからだ。
これこそ、本屋が生き残る核となるポイントということ。
だからこそ、開店から2年ほどしか経過していない天狼院書店が
今年9月に福岡と表参道に連続出店を果たすことができたのだろう。

こうしたビジネス展開、工夫の仕方は、
業績が振るわない他の業界においても応用が利く。
だからこそ、天狼院書店のポテンシャルは、
すべてのビジネスに対して、成功するヒントとなるのだろう。


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まさかの2階!? 天狼院書店の入り口

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趣あるカフェでもある店内

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これが天狼院BOX

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天狼院秘本の包装

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