私たちが普段手にする本は、経営者や著名な方の成功物語であることが多いが、この本は、いちサラリーマンにスポットを当てている。それも登場するのは、壁にぶち当たりながらもちょっとしたチャンスをものにして、成功するまで諦めなかったサラリーマンたちばかりだ。
著者の永井隆氏は、新聞記者を経てフリージャーナリストになった経歴をもつ。タイトルにドキュメントとあるが、内容はまるで小説のような手に汗握る臨場感で書かれていて、とても面白く読ませてもらった。それはおそらく、著者の新聞記者時代に培った“読み手を惹きつける力”が反映されているからだろう。
本書には全部で9人の話が登場する。
「千代田生命マンが体験した破綻からの生還」
「短大卒が挑んだキリンビールキャリアの壁」(*今週の選ばれるビジネスでも取り上げています)
「転職しながら強くなったユニクロ店長」
「ゾンビから復活したHONDAオデッセイ開発陣」
あまりのリアル感にどれも作り物かと思われるような内容だが、全て真実である。そんな永井氏はサラリーマンについて次のように語っている。
「これからはサラリーマンも、独立した個人事業家として生きていく時代。魚屋や肉屋があるように、サラリーマンを1つの商売として捉えてもいいのではないか。サラリーマンは対会社にではなく、対職務として同化していくべきだろう。」
常に何かに従っている“サラリーマン”。しかし今後はただ従うのではなく、会社の持っている可能性や資源を活かして、どうすれば自分を活かす展開ができるのか、と考える人こそ、できるサラリーマンとして評価されるのではないか。これからはサラリーマンも“選ばれる”人とそうでない人とに大きく分かれると考えられる。
最後に永井氏は「勝ち組」 、「負け組」というのは、本来2通りではなく4通りわけられると話す。
1、勝ちながら強くなる
2、勝ちながら弱くなる
3、負けながら強くなる
4、負けながら弱くなる。
これからの時代、どれを自分の中で意識していくかがポイントのようだ。