先日、知人から一本のワインと一冊の本が送られてきた。実は、この本こそ今回ご紹介する「山の学園はワイナリー」なのだが、本を開くよりも先にワインを飲み干してしまった…。まあ、ワインを飲んだあとにしっかり本も読んだということで、よしとしよう。
この本は知的障害者や情緒障害、自閉症、ダウン症などをもつ十五歳以上の人を対象とする更生施設「こころみ学園」のノンフィクションの物語である。
川田園長の私財をなげうって栃木県足利市の土地を購入し、一部を開墾して葡萄畑を耕したのがそもそもの始まりだったそうだ。 その当時、この学園は園長の川田昇氏を中心とする職員9名、園生30名で構成されていた。
今、この学園はココファームワイナリーという名で年間15万本のワインを生産し、かなり有名なワイナリーに成長している。あのソムリエの田崎真也さんすら一目置いているというから驚きである。また、ワイナリーに加えて、毎年椎茸20トンを生産しているそうだ。これももちろん、こころみ学園の子どもたち(子どもの年齢を過ぎても障害をもつ者たちをこう呼んでいる)によって栽培され、収穫されている。
さきほども言ったように、こころみ学園はなんらかの障害を持っている「子どもたち」のための更生施設。守られた世界にいても幸せにはなれない。大事に庇護されるだけではいけない。与えられるばかりの環境の中では思いやりも想像力も育たない。人がいかに人間らしく生きられるか、農業を通じてそれを園生たちに伝えたい。それが障害者の自立を願うこの学園のまさに「試み」だったのだ。
私がここで注目したいのは、このところ参加しているトイレ掃除に学ぶ会でも同様のことが… “一生懸命汗水流して労働する、何かをトコトン徹底していくことで何か「気付き」が生まれる”ということ。まさに川田さんが伝えようとしていることもこれなのだ。“労働はモノをつくりだすだけでなく、人の心もつくる”。自ら自分自身を磨くために汗をかき、一生懸命取り組むことできっと何か気付きが生まれるはずなのだ。
知人から送られてきた一本のワインと一冊の本、この出会いが、私がこのところテーマにしていることの裏づけをしてくれた。今から7〜8年前に書かれたこの本、非常に中身の濃い、人間味の溢れた感動の一冊である。ぜひ読んでみていただきたい。
ちなみに、ワインは、かなりいい味を出していた。また、お願いして取り寄せてもらお〜っと。
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