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はなまるア・ラ・カルト

06/15
2015

ara (1)

“インバウンド”に向け「先義後利」

2020年の東京オリンピックを控え、
日本は外国人観光客の増加を意味する
「インバウンド効果」を期待している。
当然、大きな経済効果を狙っているのだろうが、
本当に大事なことは、また別にあるのだ。

そのヒントは、先日お会いしたオリンピック招致委員会副理事長で
ミズノ株式会社水野正人氏の
“レガシー”という一言に隠されている。

レガシーとは遺産という意味。
つまりオリンピック後の遺産を持ち帰ってもらうことなのだ。

私がその遺産の中でも着目しているのが、
オリンピックを機に日本に訪れた多くの外国人が、
“日本の価値観”をどう受け止め、その後にどう活かすか。

このところ「インバウンド効果」とは、
数年の短期的な経済効果を期待するときに
使われている傾向がある。そのため、つい世界遺産である富士山や、
京都の街並みなどの文化的香りのする観光地や、
大都市東京を世界にアピールして観光客誘致をしようとしがち。

残念ながら、こうした海外に持ち出せない建築物や名所のような
“ハード”としての文化を発信することは
見聞きした人の記憶で終わってしまう可能性が…。

そこで、価値観や概念のような“ソフト”としての
日本の文化(価値観から来る対応や行動)を
世界に広めてもらうことが今後の日本の発展となるのではないだろうか。
では日本の価値観とは、なんなのだろうか。

たとえばそれは、山岡正義氏著『魂の商人 石田梅岩が語ったこと』で
説かれていることだろう。
平安時代から日本人が当たり前に持ち合わせていた価値観や、
梅岩がよく語っていた「先義後利」という考え方なのではないだろうか。

また、仁・義・礼・智・信に表されるように、
人として当然の道徳心を持つことも同様に重要だろう。

これこそ日本人が古来より
大切にしてきた文化であり価値観なのだ。

残念なことに現在の日本では、
明治維新以降に日本に入ってきた欧米文化の影響を受けて形成された、
経済至上主義的価値観が浸透している。
それにより、日本古来の価値観が薄れてきてしまっているのだ。

だが、こうした経済至上主義的価値観はここ50~60年のもの。

2020年に向けてすでに外国から多くの人が来日し始めている日本で、
本当の日本の遺産を持って帰ってもらうためにも、
目に見える日本文化を見せつつ、
目に見えない日本独自の考え方や価値観を
体感してもらうことが必要なのだ。

表層だけではない本当の日本を世界に浸透させるには、
短期的なインバウンド効果だけを狙っていてはダメだ。
オリンピックという一大イベントを機に、
迎え入れる側の日本人が「先義後利」の価値観を
ビジネスや生活の中でしっかり実践し、世界中の人々に
それを体験してもらうことが鍵となるのだろう。

ara (1)

山岡正義氏著『魂の商人 石田梅岩が語ったこと』

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ミズノ株式会社の水野正人氏

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