これからの選ばれるビジネス!

これからの選ばれるビジネス!中島セイジのビジネスの達人

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12/07
2015

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公募で選ばれた“鉄ちゃん”社長の仕事道

千葉県の太平洋側に位置する夷隅郡。
そこに、かつて廃線直前まで追い込まれた路線があった。
その名も“いすみ鉄道”。

現在は大人気のローカル線となり、
たくさんのお客様が訪れているのだが、
そのきっかけはなんと公募で選ばれた社長。

廃止寸前の路線にはよくあることなのだが、
民間から社長を公募し経営改革を行ったのである。
その代表取締役社長に就いたのが、
幼い頃からの鉄道ファン、
いわゆる“鉄ちゃん”の鳥塚亮(とりづか・あきら)氏だ。

2009年の就任からわずか1年ほどで路線の存続を決定させ、
その後6年経った現在もいすみ鉄道のために
奮闘していらっしゃるのだ!

現在のいすみ鉄道は、休日はもちろん
平日も人で賑わう路線となり、
電車だけでなく周辺地域も活性化しているという。
これぞまさしくソリューションビジネスの鑑。

そんな鳥塚社長の取り組みは実に様々だ。
まずムーミンキャラクターを
ラッピングに起用した列車を走らせると、
女性誌がこれを取り上げ、女性たちがいすみ鉄道に集まった。

次に国鉄の古い車両“キハ28形”を走らせ、
“撮り鉄”と呼ばれる全国の鉄道ファンから注目を浴びる。
これはSNSで拡散され、専門誌にも掲載されることになった。

そして牧歌的な風景を眺めながら、豪勢なイタリアンや和食、
カレーなどの食事を楽しめる、専用列車の運行を開始。
さらには路線が26.8キロしかないのにも関わらず、
あえて夜行列車をも運行させたそうだ。

これらの施策は、様々なターゲットへ
ピンポイントに訴えかけたものだ。
ムーミン列車は若い女性、古い車両は鉄ちゃんや撮り鉄、
食事は富裕層へ向けたサービス。


大手のように大勢の一般的な人々を取り込むのではなく、
ターゲットを絞った“中小企業のマーケティング”
ならではの発想だ。
すなわち、鳥塚社長のローカル路線ならではの戦術が
うまく成功した事例と言えるだろう。

そして現在、鳥塚氏のターゲットは子どもたちだという。
ここに足を運んでもらい、
列車や里山に興味をもつ意識を育むのが目的なのだそうだ。

もし幼少期であっても傍に古い列車や田舎の体験があれば、
数十年後もその記憶は残り続ける。
その列車の思い出と、里山の風景を心に刻んだ子どもたちは、
大人になった頃にこれらを守ろうとしてくれることだろう。

おお、これは私がビジ達で何度もご紹介している、
タテの発想であり、“タテの仕事道”と言えるのではないか!
美しい日本の里山と鉄道を残すために、
現在の利益だけでなく将来のことも見据えているのだ。

里山の風景と鉄道、その周辺地域を
永遠に守ろうとする鉄ちゃん社長ならではの仕事道。
う~ん、すばらしいねえ!

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いすみ鉄道の秘密に迫る

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鳥塚亮氏

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